エアコンの業者に、修理や入替工事を依頼すると「冷媒ガス」という言葉を耳にすると思います。エアコン業者は普段から使っているため、普通に会話のなかで使うのですが、普段エアコンの構造に触れることが少ないお客様からすると、予備知識があると分かり易いかもしれません。
冷媒ガスは熱を運ぶ
エアコンには、室外機と室内機があり、外の機械と室内の機械を冷媒ガスが行ったり来たりしています。
冷媒ガスは「熱を片方で集め、もう一方で放出する」という役割を持っています。
例えば、冷房の場合なら、「室内機で熱を取り込み」「室外機で熱を放出」します。室内で冷媒ガスに熱を取り込むので、空気の温度が下がるわけですね。
暖房の場合は逆になり、「室内機で熱を放出」し、「室外機で熱を取り込み」ます。暖房では室内に熱を放出するので、温度が上がります。
温度が内から外、もしくは外から内へと移動しているだけ、ということが分かります。
熱エネルギー自体は内側と外側が等しくなるので、部屋を暖めれば室外は冷やし、部屋を冷たくすれば室外は暖かくする、ということです。
室内機・室外機のそれぞれにフィン(熱交換器)があり、その近くに送風機がついていて、冷えたり温めたりした温度を風にして送っています。
冷媒は、気体の時と液体の時がある
冷媒ガスが熱を持っているときは気体になっていて、熱を放出すると液体になります。
逆に液体が熱を吸収すると気体になるのですが、こちらは身近な現象ですね。
というのは、水を熱して沸騰させると蒸発して気化しますよね。それと同じ仕組みです。
この液化・蒸発の作用を利用して、熱の移動を行っている、とも言えます。
冷媒ガスはフロンガス
「熱を最も効率よく、吸収して放出できる物質は何か」、ということでフロンガスが選ばれています。
フロンガスにも種類があり、エアコンに使われる冷媒ガスではR22、R407C、R410A、R32が代表的です。
フロンガスはオゾン層破壊や地球温暖化の原因でもあります。そのため、なるべく環境破壊に影響の少ないものが推奨されています。またフロン排出抑制法によって、業務用エアコンのフロンガスの取扱いの方法が規定されています。