夏場になってくると、冷房を使う頻度が増えてきますね。そこで例年、不具合報告で比較的に割合の多いものが「水漏れ」です。室内機からの「水漏れ」は、ほぼ夏場にしか起こりません。理由は簡単です。冷房は、室内機のフィンが冷えた状態になり、その冷たい風を送風しています。フィンが冷たくなるので、結露が起こります。フィンに水滴が着き、滴り落ちるのですが、エアコンにはドレンパンと呼ばれる水受けの皿があり、水漏れを防いでいます。

冷房状態では、水が発生することが通常で、水漏れしないような仕組みになっているのですが、その仕組みに異常が起きたり、外部環境が原因で水漏れが発生します。

「どんなことが理由で水漏れが起きてしまうのか」が気になるところです。

では水漏れの原因で多いものをみていきましょう。

室内機のドレンパンの汚れ詰り

「エアコンの冷房使用時には水が発生する」というのは、さきほど述べた通りですね。

その水をドレン水と呼び、エアコン内部で受ける皿をドレンパンといいます。

そのドレンパンに汚れが溜まってしまって、排水不良が起こってしまうことがあります。

スライムという粘りのある汚れのカタマリが発生して、排水ポンプが詰まってしまったりするのです。

対処法はシンプルで、詰まりの原因になっている汚れを除去してしまうことです。

ドレンパンが破損

ドレンパンの汚れが溜まってしまう以外で、経年劣化・油が漏れて垂れた・地震の影響などでドレンパン自体が割れてしまっていることがあります。

ドレンパンの破損した箇所から水が滴り落ちるので、水漏れの原因になります。

この場合はドレンパンの交換をオススメします。※穴を塞ぐこともあります

室内機のドレンポンプ・水位センサーの故障

ドレンパンの中の水を排水する機能がエアコンには付いています。

ドレンセンサーでドレン水の量を感知して、ドレンポンプで配管に水を送ります。

ドレンセンサー(フロートスイッチと呼ばれることもあります)が水量を感知できずにポンプが作動しない場合と、

ドレンポンプが故障していて動かずに、排水しない場合があります。

ドレンポンプ・ドレンセンサーはセットだと考えても良いでしょう。

この部品不良が原因のときには、ポンプとセンサーを交換すると直ります。

ドレン配管の不良

ドレン水を外に流す為の配管が、エアコンに繋がっています。

その配管が外れたり、破損したり、詰まったりすることも水漏れの原因となります。

配管の内部はドレン水が通っているので、そこから水が落ちてくることがあります。

ドレン配管の補修、または汚れ詰まり除去をすることで、水漏れが収まります。

冷媒配管が結露

エアコンは、室外機と室内機に冷媒配管を通じて「冷媒ガス」というフロンガスが流れています。

冷媒ガスは温度を運ぶ役割を担っているのですが、冷たい温度を運ぶ場合があります。

配管自体が冷たくなるので、結露が起こります。一般的には断熱材という保護材で覆われているので結露することは稀(まれ)です。

しかし、何らかの理由で断熱材が縮み、配管がむき出しの状態になると結露が発生します。また、配管のある天井内が暑くなりすぎると断熱材の能力をオーバーし、断熱材の上から結露することもあります。

断熱材の巻きなおし、補修、重ね巻きなどで対応します。

エアコン本体の設置状況

「エアコンのある部屋に外気が大量に入ってくる」

エアコンの出す冷風と、室温の温度差が常にあり、過度の結露が起こると水漏れの原因を作ります。

また冷風が当たるルーバー(風向調整のハネ)が結露して水滴が落ちてくることがあります。

この場合は設置状況を考える必要があります。

エアコンではなく、エアコンの付近で雨漏り

エアコンの点検にお伺いをして、原因がエアコンでないことも。

天井内を覗くと、建物に破損があり、雨漏りしている場合もあります。

この場合は、専門の大工さんや修繕屋さんに依頼するのが良いです。

まとめ

業務用エアコンの水漏れも色々な原因がありますね。

水漏れは夏場になると多く発生します。夏場はエアコンの業者は繁忙期に入ってしまって、予定が沢山あることが多いです。そのため、対応がすぐにできない可能性があります。

汚れの詰まりが原因の場合は、クリーニングで未然に防ぐこともできます。

夏場になる前に、クリーニングをしたり、試運転をするなどして、予防対策をしておくのが良いと思います。