「業務用エアコンの電気代って、どのくらいかかるの?」
会社の電気料金の根拠は気に掛かるところです。毎月の支出は事業者にとって重要な事項ですよね。
家庭用のエアコンより冷暖房能力の高い業務用エアコン。その電気代計算の目安を解説します。
業務用エアコンの電気代の計算式は簡単
消費電力(kW)×電力量料金(円/kWh)×使用時間(h)=電気代(円)
消費電力とは?
間違いやすい「能力のkW」と「消費電力のkW」
エアコンの説明文に出てくるkWには冷房定格能力(kW)・暖房定格能力(kW)・冷房定格:消費電力(kW)・暖房定格:消費電力(kW)などがあります。
「能力のkW」と「電力のkW」は別のもので、混同しやすいので気を付けましょう。
能力のkWとは、室内の熱エネルギーをどれだけ増減できるか、という指標です。馬力とも呼ばれ、エアコンの場合は「1馬力=2.8kW」(数学では1馬力=0.7355kW)で温めたり冷やしたりする「能力」のことです。同じkWが使われていますが、別物ですので消費電力を確認しましょう。
消費電力には最大・最小・定格といろいろな記述があります。
エアコンは、起動時には「最大」の消費電力を使って起ち上がります。空間の温度をセンサーで認識し、設定温度に合わせた駆動をし、その時々で電力の消費量が違います。
目安計算としては、定格消費電力を使って計算するのがよいでしょう。
定格消費電力はJISで定められた基準状態での消費電力です。
冷房時と暖房時では消費する電力が違いますので、この点も注意してください。
電力量料金
電気量料金は電気料金の単価のことで「1kWhあたりの電気料金」です。電気会社や契約で違いがあります。電灯(単相200V)だと基本料金が低く、単価が高いですし、動力(3相200V)だと基本料金は高いですが単価は低くなります。電灯が25円くらい、動力17円くらいが目安と考えます。業務用エアコンは基本的に動力で動きますので、ここでは動力で考えます。
使用時間
エアコンを使用する目安の使用時間です。
毎日10時間つけっぱなしで22日/月稼働の場合なら、220時間がひと月あたりの使用時間です。
具体例
では具体例をみてみましょう。
ここでは同じ能力と型の業務用エアコンで、高効率タイプと標準タイプの種類でみていきます。
省エネ高効率タイプ
①2022年の日立製エアコンで、
②天カセ4方向 省エネの達人プレミアム シングル 6馬力RCI-GP160RGH5
③上記エアコン1台、
冷房定格消費電力3.9kW、
電気量料金17円、
使用時間220時間/月で冷房使用時のひと月あたりの電気量目安を計算します。
3.9×17×220=14,586円です。
標準タイプ
①同じく2022年製の日立エアコンで、
②天カセ4方向 省エネの達人 シングル 6馬力RCI-GP160RSH7
③上記エアコン1台、
冷房定格消費電力4.92kW、
電気量料金17円、
使用時間220時間/月で冷房使用時のひと月あたりの電気量目安を計算します。
4.92×17×220=18,400円ですね。
まとめ
消費電力(kW)×電力量料金(円/kWh)×使用時間(h)=電気代(円)
で目安の電気料金が算出できます。基本料は含まれておらず、使用条件にもよりますので、あくまで目安です。
上の具体例はシングル1台ですので、
エアコンをたくさん使えば使うほど、高効率タイプは電気代がお得になるようです。
ちなみに上記の高効率タイプは定価1,781,000円。
標準タイプは定価1,608,000円です。定価差は10万円くらいですが、販売値で3~6万円くらいの差になると考えられます。
長い目で見ると、高効率タイプがお得な場合があり、検討をするのもオススメです。
電気料金が分かると、高効率タイプのランニングコストが割安なことが分かりますね。